Cantabile 如歌的行板

　ＳＭＡＰ草なぎ剛（３５）が主演するＴＢＳ開局６０周年記念　橋田寿賀子ドラマ「ＪＡＰＡＮＥＳＥ　ＡＭＥＲＩＣＡＮＳ」が今秋放送されることが１１日、分かった。放送は「社運を賭ける」という同局初の５夜連続、合計約１０時間に及ぶ壮大なスケールとなる。

　１００年前にアメリカに渡った日系移民が、差別や戦争の苦境を乗り越えながら生き抜いていく家族の物語。「戦争と平和」を一生のテーマに掲げる橋田氏が脚本を手がけ「私の集大成であり、遺言でもあります」という意欲作だ。

　草なぎは、米国生まれの日系移民２世である平松一郎と、その父・長吉の若いころという一人二役に初挑戦する。「すごいぜいたく。小手先で演じるとつまらないものになるので、今回はメチャクチャやってやろうと思っている。これは大きなチャンス。全身全霊を傾ける」と意気込む。

　橋田作品に草なぎが出演するのは初めて。２００５年に草なぎが橋田賞を受賞した際、橋田氏は草なぎに「私の作品に合うような気がする」と声をかけたという。瀬戸口克陽プロデューサーは草なぎの起用理由について「時代に翻弄（ほんろう）されながら負けずに生き抜いた日系アメリカ人の“柔軟性”と“芯の強さ”という両面を併せ持つのが草なぎさん」と説明する。

　一郎と恋に落ちる領事館職員の娘・しのぶを演じるヒロインは、草なぎとドラマ初共演となる女優の仲間由紀恵（３０）。「戦争を経験していない世代の私が、戦争の悲惨さ、悲しみ、平和への想いを込めた作品に出演させていただくことは、とても大切な役目だと重く受け止めています」と話す。

　出演はほかに中井貴一（４８）、泉ピン子（６２）、松山ケンイチ（２４）、大泉洋（３６）、市川右近（４６）、小林稔侍（６７）、笹野高史（６１）、中尾明慶（２１）、八千草薫（７９）、岸恵子（７７）ら、豪華な顔ぶれがそろう。

　今月中旬からクランクイン。撮影期間は約５カ月の予定で、かつてのマンザナー強制収容所跡地やシアトルなど米国長期ロケのほか、日本でも広島や沖縄でロケを行う。